技術詳細
電気・電子 金属材料 機械・部品の製造

技術概要

本技術は、高精度な配線パターン成膜を実現するマスクセットに関するものです。第1のメタルマスクで配線パターンの一部を形成し、次に第1のマスクの開口部を覆う空間部を持つ第2のメタルマスクを用いて他の部分を成膜する二段階方式を採用しています。これにより、マスクのずれや成膜時のばらつきを抑制し、従来技術では困難であった微細かつ正確なパターン形成を可能にします。特に、有機ELディスプレイや先端半導体パッケージングなど、極めて高い寸法精度が求められる分野での応用が期待されます。

メカニズム

本技術の核となるのは、配線パターンの一部領域に対応した開口部を有する第1のメタルマスクと、残りの領域に対応する開口部および第1のマスクの開口部を覆う空間部を有する第2のメタルマスクの組み合わせです。基板上に第1のマスクを設置して金属を成膜した後、第2のマスクを順次設置し、第1のマスクで形成した部分を空間部で保護しながら第2の金属を成膜します。このシーケンシャルな成膜と保護のメカニズムにより、各層のパターン精度が独立して制御され、積層時の位置ずれやパターン欠陥が大幅に抑制され、最終的な配線パターンの寸法精度が飛躍的に向上します。

権利範囲

本特許は15項の請求項を有し、広範な技術的範囲をカバーしていることから、強固な権利基盤を構築しています。先行技術文献が3件と少なく、審査官が類似技術を特定するのに苦慮した可能性があり、本技術の高い独自性を示唆します。また、特許業務法人アクア特許事務所という有力な代理人が関与している事実は、請求項の緻密さと権利の安定性を示す客観的証拠です。審査請求から特許査定まで約5ヶ月という迅速な権利化は、出願当初から特許性が高く評価された証であり、無効にされにくい安定した権利であると言えます。

AI評価コメント

AI Valuation Insight:
本特許は、15項の請求項と迅速な特許査定により、技術的範囲が広く権利の安定性が高いと評価されます。先行技術文献が少なく、独自性が際立っている点も大きな強みです。残存期間は比較的短いものの、その期間内に市場での確固たる地位を築き、次世代技術への展開を加速させるための強力な戦略的資産として活用できるポテンシャルを秘めています。
なぜ、今なのか?
半導体、ディスプレイ市場は、微細化と高集積化の要求が日々高まっています。特に有機ELやマイクロLEDといった次世代デバイスの量産には、従来の成膜技術では達成困難な高精度なパターン形成が不可欠です。本技術は、この精密成膜のボトルネックを解消し、歩留まり向上と生産効率化を実現します。2030年までの独占期間を最大活用することで、導入企業は競合に先駆け、高付加価値製品市場での優位性を確立できるでしょう。労働力不足が深刻化する製造業において、自動化と高精度化は喫緊の課題であり、本技術はまさにその解決策となります。
導入ロードマップ(最短18ヶ月で市場投入)
フェーズ1: 技術評価と設計最適化
期間: 3ヶ月
本技術の導入可能性を評価し、導入企業の既存設備や製品設計に合わせたマスクセットの仕様を最適化します。シミュレーションによる効果予測も実施します。
フェーズ2: 試作・検証プロセス構築
期間: 6ヶ月
最適化された設計に基づき、試作マスクセットを製造。実際の成膜ラインでの小規模な検証を行い、寸法精度や歩留まり改善効果を具体的に測定します。
フェーズ3: 量産化と本番導入
期間: 9ヶ月
検証結果を基に量産体制を確立し、本格的な生産ラインへの導入を進めます。これにより、安定した高精度成膜プロセスの運用が開始されます。
技術的実現可能性
本技術のマスクセットは、貫通孔を有する第1のマスクと空間部を有する第2のマスクという明確な構造で構成されており、既存の成膜装置やプロセスへの物理的な組み込みが比較的容易です。特許請求項に記載された構成要素は、標準的なマスク製造技術で実現可能であり、既存の成膜ラインのマスク交換とプロセスパラメータ調整のみで導入できるため、大規模な設備投資を必要とせず技術的ハードルは低いと評価できます。
活用シナリオ
この技術を導入した場合、導入企業は次世代の有機ELディスプレイや先端半導体パッケージングにおいて、他社が追随困難な超微細パターンを安定的に量産できるようになる可能性があります。これにより、製品の高性能化と小型化が加速し、市場での競争優位性を確立できるでしょう。また、不良率の低減は生産コストを大幅に削減し、年間約1.5億円の経済効果を生み出すと推定され、短期的なROIの達成も期待できます。
市場ポテンシャル
国内1,500億円 / グローバル5兆円規模
CAGR 12.5%
本技術は、高精度なパターン形成が求められる半導体、ディスプレイ、特に有機ELやマイクロLEDといった次世代デバイス製造市場において、非常に大きな潜在能力を秘めています。これらの市場は、IoT、5G、AIといった技術革新を背景に、データ処理能力の向上とより高精細な情報表示への需要が急増しており、今後も高い成長率が予測されます。本技術を導入することで、導入企業は微細化の限界に挑む新製品の開発を加速させ、競合他社に先駆けて高付加価値市場でのリーダーシップを確立できるでしょう。特に、既存の製造プロセスに組み込みやすい構造であるため、迅速な市場参入と収益化が期待できます。グローバルなデジタル化の波に乗り、新たなビジネス機会を創出する強力なドライバーとなるはずです。
半導体製造 グローバル約6,000億ドル ↗
└ 根拠: 微細化と高集積化の進展により、高精度なパターン形成技術への需要が継続的に拡大。先端パッケージング分野での応用が期待される。
ディスプレイ製造 (有機EL/マイクロLED) グローバル約500億ドル ↗
└ 根拠: 高精細・高コントラストな次世代ディスプレイの需要増に伴い、画素形成における超精密成膜技術が不可欠となる。
MEMS/センサー製造 グローバル約200億ドル ↗
└ 根拠: 小型・高性能化が進むMEMSデバイスや各種センサーにおいて、複雑な微細構造を正確に形成する技術が求められている。
競合優位性
比較項目 従来技術 本技術
成膜パターン寸法精度 単層メタルマスク方式: △
多層配線対応 既存露光・エッチング: ○
歩留まり向上効果 従来の多層マスク技術: △
プロセス簡素化 複雑な製造プロセス: △
材料効率性 材料ロスが発生しやすい: △
経済効果の想定

本技術の導入により、半導体製造における不良品の発生率を現状の5%から2%へ低減できると仮定します。月間生産量10,000枚、1枚あたりの製造コスト5万円とした場合、年間約1.8億円の不良コストが発生していますが、不良率3%改善により年間約1.5億円(10,000枚/月 × 12ヶ月 × 5万円/枚 × 3%)のコスト削減効果が見込まれます。これは材料費、再加工費、廃棄コストの低減に直結します。

審査プロセス評価
存続期間満了日:2030/07/15
査定速度
約5ヶ月で特許査定(非常に迅速)
対審査官
拒絶理由通知なし
一発特許査定であり、権利化がスムーズに進んだことから、出願当初から特許性が高く評価された技術であると推察されます。安定した権利基盤を持つと考えられます。

審査タイムライン

2013年06月06日
出願審査請求書
2013年11月05日
特許査定
基本情報
📄 出願番号
特願2010-161107
📝 発明名称
マスクセット
👤 出願人
株式会社ディスコ
📅 出願日
2010/07/15
📅 登録日
2013/11/15
⏳ 存続期間満了日
2030/07/15
📊 請求項数
15項
💰 次回特許料納期
2026年11月15日
💳 最終納付年
13年分
⚖️ 査定日
2013年10月31日
👥 出願人一覧
株式会社ディスコ(000134051)
🏢 代理人一覧
特許業務法人 アクア特許事務所(110000349)
👤 権利者一覧
株式会社ディスコ(000134051)
💳 特許料支払い履歴
• 2013/11/06: 登録料納付 • 2013/11/06: 特許料納付書 • 2016/10/06: 特許料納付書(自動納付) • 2016/10/25: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2017/10/06: 特許料納付書(自動納付) • 2017/10/24: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2018/10/06: 特許料納付書(自動納付) • 2018/10/30: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2019/10/06: 特許料納付書(自動納付) • 2019/11/01: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2020/10/06: 特許料納付書(自動納付) • 2020/10/30: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2021/10/06: 特許料納付書(自動納付) • 2021/10/29: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2022/10/06: 特許料納付書(自動納付) • 2022/11/04: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2023/10/06: 特許料納付書(自動納付) • 2023/11/02: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2024/10/06: 特許料納付書(自動納付) • 2024/11/19: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2025/10/06: 特許料納付書(自動納付) • 2025/11/18: 年金領収書、年金領収書(分納)
📜 審査履歴
• 2013/06/06: 出願審査請求書 • 2013/11/05: 特許査定 • 2013/11/05: 特許査定
参入スピード
市場投入時間評価
2.0年短縮
活用モデル & ピボット案
📦 精密マスクセット販売
本技術を活用した高精度メタルマスクセットを製造・販売。次世代半導体やディスプレイメーカー向けに提供し、直接的な収益源とします。
🤝 ライセンス供与
特定の製造プロセスや製品カテゴリにおいて、本技術の実施権を他社に供与。ロイヤリティ収入を得ることで、多様な収益チャネルを確立します。
🔬 共同開発・受託製造
高精度成膜技術を必要とする企業と共同で、特定のデバイス向けマスクセットを開発。または、受託による精密成膜サービスを提供します。
具体的な転用・ピボット案
💡 マイクロLED
超微細画素形成マスク
マイクロLEDディスプレイの製造において、数マイクロメートルサイズの画素を均一かつ高精度に形成するためのマスクセットとして転用可能です。本技術の二段階成膜プロセスにより、画素欠陥を最小限に抑え、歩留まりを大幅に向上させることが期待されます。
🔬 医療用デバイス
生体センサー向け精密電極
バイオセンサーや医療用インプラントデバイスの電極パターン形成に活用できます。生体適合材料への微細パターン形成において、本技術の寸法精度と信頼性は、デバイス性能と安全性向上に大きく貢献する可能性があります。
🤖 MEMS
3D構造MEMS製造用マスク
加速度センサーやジャイロセンサーなどのMEMSデバイス製造における複雑な3次元構造や積層構造の形成に適用可能です。高精度な多層成膜が要求されるMEMS分野において、本技術は製造プロセスの効率化と性能向上を実現するでしょう。
目標ポジショニング

横軸: 成膜精度と歩留まり
縦軸: 開発期間短縮と市場競争力