技術詳細
その他 その他

技術概要

本技術は、オゾン発生効率向上のために窒素を添加した原料ガスから生成されるオゾンガス中に含まれる、配管腐食や装置大型化の原因となる五酸化二窒素および硝酸を効率的に除去する方法を提供します。高純度シリカゲルを充填した複数の除去筒を並列配置し、少なくとも2塔を切替使用することで、吸着と再生を連続的に行います。これにより、高純度オゾンを途切れることなく供給しながら、吸着剤の再生率80%以上を達成し、装置の小型化と長期安定運転を可能にします。

メカニズム

本技術では、窒素含有オゾンガスが、高純度シリカゲルを充填した除去筒に導入され、五酸化二窒素や硝酸が吸着剤に吸着されます。この吸着工程と並行して、別の除去筒では、パージガス(酸素または不活性ガス)を供給しながら、吸着剤を100~200℃まで徐々に加熱します。この加熱により、吸着されていた窒素酸化物が脱離し、吸着剤が再生されます。この吸着・脱離工程を交互かつ連続的に切り替えることで、システム全体として窒素酸化物の除去を途切れることなく行い、高純度オゾンを安定的に供給し続けることが可能となります。

権利範囲

本特許は、10件の先行技術文献がひしめく中で特許性を勝ち取った強固な権利です。また、有力な代理人である鈴江正二氏が関与していることは、請求項が緻密に練られ、権利範囲が安定していることを示唆します。一度の拒絶理由通知を意見書と手続補正書によって乗り越え、登録に至った経緯は、審査官との対話を通じて権利範囲が明確化され、無効にされにくい安定した権利基盤が構築されていることを証明しています。

AI評価コメント

AI Valuation Insight:
本特許は、有力な企業によって出願され、代理人の関与のもと、一度の拒絶理由通知を乗り越えて登録された安定した権利です。10件の先行技術文献が引用される激戦区で特許性を確立しており、技術的優位性が明確に示されています。残存期間は戦略的な事業展開に十分な期間であり、競争環境下での差別化を可能にする優れた知財と評価できます。
なぜ、今なのか?
世界的な脱炭素化とGX(グリーントランスフォーメーション)の潮流の中、半導体製造や水処理、医療分野における高純度オゾンの需要は増大しています。しかし、従来のオゾン発生プロセスでは窒素酸化物による配管腐食や装置大型化が課題でした。本技術は、この課題を解決し、高効率かつ小型なオゾン供給システムを実現します。2033年6月28日までの独占期間を活用し、導入企業は高まる市場ニーズを捉え、競合に対する先行者利益を享受できる可能性があります。
導入ロードマップ(最短30ヶ月で市場投入)
フェーズ1: 技術評価・要件定義
期間: 3-6ヶ月
導入企業の既存オゾン発生システムや用途への適合性を評価し、必要な除去能力、設置スペース、運用条件などの詳細な要件を定義します。
フェーズ2: システム設計・プロトタイプ構築
期間: 6-12ヶ月
要件に基づき、除去筒の数やサイズ、加熱・パージガスの制御アルゴリズムを含むシステム全体を設計。小規模なプロトタイプを構築し、性能検証を行います。
フェーズ3: 実証・本番導入
期間: 6-12ヶ月
プロトタイプでの検証結果を基に、実環境での試験運用を実施。性能の最適化と安定稼働を確認した後、本格的なシステム導入と量産体制への移行を進めます。
技術的実現可能性
本技術は、高純度シリカゲルという汎用的な吸着剤と、除去筒を複数並列に配置し切替使用するモジュール設計を特徴としています。この構造は、既存のオゾン発生・供給ラインへの組み込みを容易にし、大規模な設備改修を伴わない導入が期待できます。加熱・パージガスの制御も、一般的なプロセス制御技術で実現可能であり、技術的なハードルは比較的低いと評価できます。
活用シナリオ
この技術を導入した場合、導入企業は高純度オゾンを連続的かつ安定して利用できるようになる可能性があります。これにより、製品製造における品質歩留まりの向上が期待でき、特に半導体や医薬品分野での競争力強化に繋がるでしょう。また、装置の小型化とメンテナンス頻度の削減により、年間運用コストが約10%〜20%削減されると推定され、設備投資回収期間の短縮にも寄与する可能性があります。
市場ポテンシャル
国内1,500億円 / グローバル1兆円規模
CAGR 8.5%
高純度オゾンは、半導体製造における洗浄・酸化プロセス、上下水処理での殺菌・脱臭、医療機器の滅菌、食品加工における鮮度保持など、多岐にわたる産業で不可欠な要素となっています。特に、環境規制の強化や製品品質への要求高度化が進む中、窒素酸化物を含まないクリーンなオゾン供給技術へのニーズは今後も拡大の一途を辿るでしょう。本技術は、装置の小型化と運用コスト削減を両立することで、これまで導入が難しかった中小規模の施設や、既存設備の更新を検討する企業にとって、魅力的なソリューションとなる可能性を秘めています。この技術を導入することで、導入企業は新たな高付加価値市場への参入や、既存事業の競争力強化を実現できると期待されます。
半導体製造 国内500億円 ↗
└ 根拠: 微細化が進む半導体製造プロセスでは、超純水生成や表面洗浄に高純度オゾンが不可欠であり、品質要求の厳格化に伴い需要が拡大しています。
上下水処理 国内400億円 ↗
└ 根拠: 環境意識の高まりと水質規制の強化により、オゾンを用いた高度な殺菌・脱臭処理が求められており、効率的なオゾン供給が重要です。
食品加工・医療 国内300億円 ↗
└ 根拠: 食品の鮮度保持や医療機器の滅菌において、化学薬品に代わる安全で効果的な殺菌手段としてオゾンの活用が広がっています。
化学・素材産業 国内300億円
└ 根拠: 特定の化学反応や材料改質プロセスにおいて、高純度オゾンは不可欠な試薬であり、安定供給が生産性向上に直結します。
競合優位性
比較項目 従来技術 本技術
連続運転性 バッチ式吸着: 稼働停止が発生 ◎ (切替式連続運転)
装置サイズ 従来型除去装置: 大型化しがち ◎ (効率化による小型化)
吸着剤寿命 再生効率が低い: 短寿命 ◎ (再生率80%以上で長寿命化)
オゾン純度 窒素酸化物混入リスクあり ◎ (高純度オゾン安定供給)
配管腐食リスク 窒素酸化物による腐食リスク大 ◎ (窒素酸化物除去でリスク低減)
経済効果の想定

本技術の導入により、吸着剤の交換頻度が従来の半分以下に抑制され、年間交換費用と交換に伴う稼働停止損失を削減できる可能性があります。例えば、年間1,000万円の吸着剤費用と500万円の稼働停止損失が発生している場合、本技術による再生率向上で吸着剤寿命が2倍になると仮定すると、年間1,000万円 × 50% + 500万円 × 50% = 750万円の直接コスト削減、さらに高純度オゾン安定供給による製品品質向上や生産性向上を考慮すると、年間約1,500万円以上の経済効果が期待できると試算されます。

審査プロセス評価
存続期間満了日:2033/06/28
査定速度
約4年6ヶ月で登録
対審査官
1回の拒絶理由通知を乗り越え登録
審査官からの指摘に対し、意見書と手続補正書を提出し、権利範囲を明確化することで登録に至っています。これは、本特許が審査官との対話を経て、その有効性と新規性が認められた強固な権利であることを示します。

審査タイムライン

2016年04月15日
出願審査請求書
2017年03月21日
拒絶理由通知書
2017年05月19日
意見書
2017年05月19日
手続補正書(自発・内容)
2017年11月28日
特許査定
基本情報
📄 出願番号
特願2013-136231
📝 発明名称
オゾンガスに含まれる窒素酸化物除去方法
👤 出願人
岩谷産業株式会社
📅 出願日
2013/06/28
📅 登録日
2018/01/05
⏳ 存続期間満了日
2033/06/28
📊 請求項数
4項
💰 次回特許料納期
2027年01月05日
💳 最終納付年
09年分
⚖️ 査定日
2017年10月27日
👥 出願人一覧
岩谷産業株式会社(000158312)
🏢 代理人一覧
鈴江 正二(100087653)
👤 権利者一覧
岩谷産業株式会社(000158312)
💳 特許料支払い履歴
• 2017/12/25: 登録料納付 • 2017/12/25: 特許料納付書 • 2020/12/08: 特許料納付書 • 2021/01/08: 年金領収書(一括) • 2021/12/16: 特許料納付書 • 2022/01/14: 年金領収書(一括) • 2022/12/09: 特許料納付書 • 2022/12/27: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2023/12/08: 特許料納付書 • 2024/01/05: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2024/12/10: 特許料納付書 • 2024/12/18: 年金領収書、年金領収書(分納) • 2025/12/09: 特許料納付書 • 2025/12/17: 年金領収書、年金領収書(分納)
📜 審査履歴
• 2016/04/15: 出願審査請求書 • 2017/03/21: 拒絶理由通知書 • 2017/05/19: 意見書 • 2017/05/19: 手続補正書(自発・内容) • 2017/11/28: 特許査定 • 2017/11/28: 特許査定
参入スピード
市場投入時間評価
2.5年短縮
活用モデル & ピボット案
🤝 技術ライセンス供与
本技術の実施許諾を受け、導入企業は自社製品やサービスに組み込むことで、高純度オゾン供給システムの開発期間を大幅に短縮し、市場競争力を高めることが可能です。
🏭 共同開発・OEM供給
オゾン発生装置メーカーやシステムインテグレーターとの共同開発により、本技術を搭載した装置を開発し、多様な産業ニーズに対応する高付加価値なソリューションを提供できます。
🏗️ プラントエンジニアリング
本技術を核としたオゾンガス処理プラントの設計・構築サービスを提供。顧客の既存設備への組み込みや、新規プラント建設における効率化に貢献します。
具体的な転用・ピボット案
🏭 化学プラント
高純度特殊ガス精製システム
本技術のガス吸着・再生メカニズムを応用し、半導体製造などで使用される他の特殊ガスから微量不純物を除去するシステムに応用できます。高効率な連続再生機能は、高価な特殊ガスの精製コスト削減に貢献する可能性があります。
🧪 研究機関
実験室用排ガス処理装置
研究室や実験施設から排出される微量の有害ガス(窒素酸化物以外も含む)を効率的に除去する小型排ガス処理装置として転用可能です。装置の小型化と連続運転性は、限られたスペースでの設置や安定した排ガス処理に貢献するでしょう。
🌬️ 大気汚染対策
産業排ガス中の窒素酸化物除去
本技術の窒素酸化物除去原理を、工場や発電所から排出される排ガス中の窒素酸化物(NOx)除去に応用する可能性があります。高効率な吸着剤再生により、環境負荷を低減しつつ、排ガス処理の運用コストを削減できると期待されます。
目標ポジショニング

横軸: オゾン純度・安定性
縦軸: 運用効率・コストパフォーマンス